『時計の針』も、『話すスピード』も、『歩く速さ』も、『空気』さえも、周囲の全てが早く感じる感覚になったら、それは『不思議の国のアリス症候群』かもしれません。
私は幼稚園から小学校の頃が一番、『周囲の全てが早く感じる感覚』の症状がありましたし、大人になった今でもこの症状を感じることがあります。
『これって私だけ・・・?』
もし、お子さんが急に『周りの全てが早く感じる・・・』と不安そうな顔で言ってきたら心配で不安にになりますよね。
この記事を読んでいただければ、不思議の国のアリス症候群についてご理解いただけると思いますので、是非最後まで読んでみてください。
こんな方に読んで欲しい!
今まで誰にもこの症状のことを言えなかった方!
大人になってもこの症状に悩まされている方!
お子さんが『周囲が早く感じる感覚がある』と言っているため心配な方!
不思議の国のアリス症候群とは

1995年にイギリスの精神科医トッド(John Todd)が、この症状を『不思議の国のアリス症候群』と名付けました。
『不思議の国のアリス症候群』の原因の一つとして、『片頭痛』が関係しているのではないかと言われています。
『不思議の国のアリス』の著者である、ルイス・キャロルもまた『片頭痛』だったとも言われていたため、ルイス・キャロル自身も、『不思議の国のアリス症候群』の症状があったと言われています。
そのため、自身の実体験を本にしたものが『不思議の国のアリス』ではないかとも言われています。
このエピソードを踏まえて、1995年の医学誌で精神科医トッドは『不思議の国のアリス症候群』と名付けたのが始まりです。
不思議の国のアリス症候群の感覚とは

主な症状
■ 身体の一部が大きく感じたり、小さく感じたりする
■ 視界に入るモノの大きさや距離に錯覚が起きる
■ 身体がふわふわと浮いている感じがする
■ 見ているモノが早送りしているような感じがする
目には異常がないのに、自分の体の一部が通常より大きく感じたり、また時間が経過が早く感じたりと、とても奇妙な感覚になります。
そのほかにも様々な症状がありますが、これらの視覚・感覚異常は『片頭痛』と合わせて起こることが多いという点が特徴です。
ただし子供は必ずしも頭が痛くなるわけではありません。
習慣的にに嘔吐する『周期性嘔吐』や、お腹が痛くなる『腹部片頭痛』の症状も、子供の片頭痛の特徴になりますので注意が必要です。
また、症状が出やすい子供は『乗り物酔いがひどい』、『音や光に敏感』など物事に対して敏感な傾向があります。
親御さんが子どものころに同じ症状を経験していることが多いのもこの症状の特徴です。
年齢ははっきりしていませんが、特に園児や小学生がこの感覚になることが多いです。
でも、安心してください。
子供の頃にこの症状が起きたとしても、そのうちに自然となくなることがほとんどです。
私のように大人になってもこの症状が起きたとしても、1分~2分で症状がなくなることがほとんどで、日常生活には全く影響がありません。
不思議の国のアリス症候群の原因

主な原因
■ 小児片頭痛
■ 熱性けいれん
■ 高熱
■ 脳炎
『不思議の国のアリス症候群』は、現在でもはっきりとした原因は判明していませんが、『小児片頭痛』『熱性けいれん』『高熱』『脳炎』などが原因と言われています。
特に『小児片頭痛』による症状が多く、脳の中で空間認知能力を持っている、『第五次視覚野』の異常が原因とも考えられています。
もし、症状が長引くようであれば小児科医など専門の先生に相談したほうが良いでしょう。
『脳の異常』と聞くととても不安になりますが、診断や治療はどのような流れで行われるのでしょうか。
不思議の国のアリス症候群の治療方法

『不思議の国のアリス症候群』は命に関わる症状ではありませんので安心してください。
治療は問診を中心に診断しますが、必要に応じては『MRI』や『脳波』の検査などを行いまそれは、『片頭痛』の症状が『不思議の国のアリス症候群』ではないことを確認する必要があるからです。
この症状の方は、不安や恐怖感を持つことが多いので、精神疾患などではないことを十分理解しておくことが必要です。
手術などは必要のない病気ですので、『不思議の国のアリス症候群』の症状を理解して受け入れ、この症状と上手につき合っていくことが非常に大切です。
最後に

今回のポイント
『不思議の国のアリス症候群』は命にかかわる症状ではないこと
子供の頃に症状がおきても自然となくなること
この症状を理解して上手に付き合っていくこと
『時計の針』も、『話すスピード』も、『歩く速さ』も、『空気』さえも、周囲の全てが早く感じる感覚は『不思議の国のアリス症候群』ということがわかりました。
この症状の一番の治療薬は、日常生活に気を配ることが重要です。
『規則正しく生活をする』、『しっかり睡眠を取る』、『ストレスを避ける』などを心がけましょう!
もし、子どもがこの症状をお話してくれたときは。。。
『気のせいなんじゃない』、『おかしい感覚だね』といった否定的な言葉をかけるのではなく、お話してくれた勇気を褒めてあげてください。
『これって私だけ・・・?』
親御さんでもこの感覚のことを話さない子供も多いです。
適切な対応をすることで、しっかりと子供を受け止めてあげましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました。